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たくさん動物を見てると
なんとなく
犬が痛みを訴えるときの顔が
わかってきます。
痛いときはこんな感じで。
他にも
へぇへぇしたりします。
逆に痛みがなくなると
こんなにかわいい顔にもどります。
この子は
突然、後ろ足が動かなくなり
背中に痛みを感じて
来院されました。
ミニチュアシュナウザーは脊髄の病気になりやすく
特に脊髄梗塞という病気や椎間板ヘルニアになりやすいです。
脊髄は背骨の中に通っていて
どちらの病気も脊髄がダメージを受けます。
そのため
前足や後足が麻痺して
動かしずらくなったり
歩けなくなります。
今回は、それらの病気の治療について
ご紹介いたします。
脊髄が衝撃や梗塞でダメージを
最初にうけることを
1次損傷と言います。
その後に
神経の炎症が広がり
衝撃を受けたときより
神経が障害を受けていきます。
これを2次損傷と言います。
脊髄が衝撃をうける
1次損傷が起きて
後ろ足が動かなくなり
病院に来られるので
病院では2次損傷をどれだけ早く
抑えれるかが内科的治療のカギとなります。
当院では
シベレスタットナトリウムという
2次損傷を抑える薬と
ステロイドを注射で使い
凍結保存していた他の子の
脂肪幹細胞を静脈点滴で移植して
治療を実施しています。
ひどくならないうちに
しっかりと治療すると
回復がはやく
不安な時間から解放されることを
多く経験します。
この子も麻痺があり
立ち上がることができない状態で
かなり痛そうでした。
麻痺がおこって2日目
脂肪幹細胞移植を実施して
その3日後には
おぼつかない足取りですが
トイレで外に出て歩きだします。
麻痺がおこって7日後には
しっかりと歩くことができるようになり
とても安心しました。
この子は、栄養解析により
コレステロールの数値が
低めであることがわかったため
脂肪分が多いお肉を食べることで
再発予防をして行くことを計画しています。
コレステロール蛋白は
脂分の運搬する役目があるので
良質な油脂を運んで、
病変を治したり、予防したりする
効果が期待されます。
そう考えると
今回、病気した本当の原因は
コレステロールが低いことに
あるのかもしれません。