犬に漢方が効くことにハッとした話

このエントリーをはてなブックマークに追加
Bookmark this on Livedoor Clip
Bookmark this on Yahoo Bookmark
LINEで送る

漢方1

 

大勢の私たち獣医師は、普段、できるだけ科学的なことを理解して、新しい医療と従来の医療のどちらも提供しようと考えています。それは、西洋医学的な考え方で、原因究明に力を注ぎます。

 

例えば、手術して治す。病原菌をなくして治す。

 

一方、漢方は医療形態が違い、独自の進化を遂げていて、中々理解しがたい医療です。なんとなくボンヤリしています(私が素人だからですが)

例えば、血のめぐりをよくして調子よくする。体を温める食材を食べてよくする。

 

そんな中、漢方的な考えで、すごく「なるほどな」「漢方ってこういうことに使えるんだ」と感じた子について紹介します。

 

紹介したい子は以前ブログに書いた子なのですが、治療して最後の最後まで、脾臓の腫れが取れませんでした。

 

免疫介在性溶血性貧血?(IMHA)が治る?

 

それが原因でか、運動後に舌の色が悪くなるようです。脾臓は血を壊す臓器であるため血が集り、わずかながらの貧血も起こります。

 

そして、肝臓と脾臓は血のめぐりが連結していて、肝臓が悪くても脾腫が起こるので、いまいち決めての治療法がありませんでした。

 

そんな中、飼主様の機転で他院様の漢方を試してみたいとのことで、早速、初めて貰いました。それが「田七人参」です。

 

田七人参は

止血効果の他に、肝臓に血液をもどして、肝臓をいたわる効果があるそうです。そのうえ、食品扱いなので、副作用がうんと少なく、動物にとっても使い勝手のよい漢方です。

 

そして、これが決めてとなりました!開始2日後には脾臓の腫れが半分以上、治ったのです!

 

漢方2

 

もともと貧血をもつ子が、脾臓の腫れを患うと、それだけで貧血が進行します。このことが、この子のこの先の貧血リスクを下げてくれる決めてとなったのです。

現在では薬なし、田七人参とサプリだけなので完治に近い状態です。

西洋医学を中心に治療している私には「痒いとこに手が届く」素晴らしい漢方(食品)です。